2013年05月13日

はやぶさ 遥かなる帰還 - 映画の記憶



そもそも研究者やエンジニアというのは、地味な職業で、成果が世に出て脚光をあびるときには、裏方さんとして次の仕事につくのです。
基本的には不遇な職業だと思います。
そんな職種の人たちを映画にできたのは、宇宙開発という大きな夢と使命のあるプロジェクトだったのと、7年間と言う長い間の起こった様々なドラマがあったからでしょう。

30億キロという気の遠くなるような位置にある小惑星「いとかわ」のサンプルを採取し持ち帰るという使命をもつ探査機「はやぶさ」。
帰還までの数々のハードルと、危機を乗り越える研究者とその人間模様を描いています。さらに国家プロジェクトとしての運営するための資金調達の難しさや、日本の技術を下支えす巧みな技術を有する町工場の経営問題なども、地味ながら、見どころとなっています。

はやぶさとの通信が途絶えたときの根気づよい呼びかけや、イオンエンジンのクロス運転を決めるときの組織の葛藤などは、まさに、ドキュメンタリーなのでしょう。

やぶさのプロジェクトマネージャー山口駿一郎役は渡辺謙。モデルはもちろんJAXAの川口淳一郎教授です。

メーカーのエンジニア森内安夫(吉岡秀隆)と元同僚でJAXA教授の藤中仁志(江口洋介)が、クロス運転をめぐって、意見が対立します。
そのとき意外に重要な働きをしたのが、JAXAの学生当番、松本夏子(中村ゆり)です。
クロス運転が決まり、呆れて出て行こうとする森内を
「はやぶさがまってます」
と引き止める。
彼らにとってはやぶさは、もはや生身の人間と同じになっていたのです。

はやぶさが最後に帰還するとき、カプセルを切り離した時点で、はやぶさのミッションは終了でした。
それを、最後に燃え尽きるはやぶさに地球を見せてやりたいと山口プロジェクトマネージャーは言います。
そしてそれを最後のミッションにしました。

映画では、わりかしさらりと流してますが、実際は宇宙を向いているカメラを反転させて地球側に向けなければいけなかったそうです。

エンジニアって、なんてロマンチックなのでしょう。いや、そもそも、ロマンがあるからエンジニアになるのかもしれません。

あしもとばかり見ず、顔を上げて天を仰ぎ夢見ることだけの自由は、私たちにも与えられているのです。




posted by Kay at 01:00| Comment(0) | 映画の記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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